帳票のプリンター出力に対する統制の重要性


テレワークの普及により、帳票を紙でプリントするというオフィス業務は、電子帳簿保存法の改正も影響して変革を求めれれています。未だにプリンター出力が多い企業や組織は、まずこの部分の業務プロセス改革を実践することが、目に見える効果を期待できるでしょう。

会計業務で出力される帳簿類はもちろん、さまざまな手続きに必要な社内伝票にいたるまで、従来プリンターで紙出力して処理され保管されていた帳票は、電子化をすることにより、紙出力のコストのみならず、輸送コスト、保管コスト、それらを処理するための人的費に関わる作業コストなど、多くのコスト削減が見込めます。
それどころか、この業務プロセスを改めない限り、紙出力の目的だけのために出社を余儀なくされてしまういうとても非効率で、感染症対策にも悪影響な状況を持続させてしまいます。

とはいえ、現実は数十年前からペーパレス化の必要性が叫ばれているのにも拘わらず、多くの業務で紙によるアウトプットが残ってしまっており、いきなり紙を無くすのはとてもハードルが高いです。紙文化とまで言われた長年のしきたりとして定着してしまった業務プロセスを、電子化の流れに変更するためには、システムの入れ替えだけでなく、ユーザの意識改革まで必要です。
そのためには、まずは、業務使用できるプリンターを制限して、プリンターから出力される紙の帳票類や会議資料などについて、誰がいつどれくらいの量を出力しているのか、現状把握できるようにすることが重要です。
すでに多くの企業で社員証に紐づいたICカードをかざさないと、プリンターの使用が出来ないようにして、プリントログを取得することが有効です。この時、抜け道を作らないようにエンドポイントのセキュリティソフトを導入して、業務使用できるプリンターを限定しまうことがポイントです。ログが取得できないローカルプリンターから出力されてしまうと、管理することができず情報漏洩などのセキュリティリスクも高まります。

このプリンターに制限をかけ、個人レベルでのプリンター使用実績を視える化することは、現状把握ができるというメリットのみならず、無駄な紙出力をしなくなるという抑止力による経費削減効果も期待できます。さらに、情報漏洩などのセキュリティインシデントに対し、分析や対処を迅速にし、こちらも内部犯行の抑止力となる効果も望めます。
この時、統制と管理、運用の効率を高めるには、プリンターのメーカーや機種に依存せず、全社で統一した使用方法で誰がどこでプリントしても、同様のプリンターログを取得できる仕組みがベストです。これにより、業務プロセス改革の電子化をどの優先順位で進めるべきかの判断基準となり、業務システム更改後もどの程度の改善効果があったかも可視化し易くなります。

ペーパレスのための電子化すべき業務プロセスは、多岐にわたり複雑であるため、多くの業務に影響するのため段階的に行うべきです。そのためにも、それぞれの業務での実態を把握し、優先順位を決め、改善効果が把握しやすい、全社で統制がとれる仕組みづくりをまず第一に検討し実践することが、改革を成功するためのポイントとなります。


全社で統一してプリント管理が行える体制作りが必要


ペーパーレス, 統制