コロナ禍で明らかになった企業の適応力


かつては働き方改革の要として、政府主導で長年推奨されてきたわりにはあまり進んでいなかったテレワークですが、新型ウイルス感染症が招いた災厄な状況のコロナ禍によって、近年一気に導入が進みました。

東京都が実施した調査においても、2020年3月時点で24%だったテレワーク導入企業が、4月には2.6倍の62.7%までに増え、平均5割以上の社員が実施できているようです。(参照:東京都 テレワーク導入緊急調査 これは、企業に対し新型ウイルスの感染拡大を防ぎ、従業員や顧客の生命を守りながら、いかに事業を継続するかという命題をいきなり突き付けられた結果です。 政府による緊急事態宣言の発動により、出社もままならず、もちろん、あまりにも急な対応が必要だったために、セキュリティなど問題点も多く浮彫りになりました。

コロナ禍によって、多くの企業がその適応力を試される結果となりました。新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言は、2020年4月7日に東京をはじめとする7都府県を皮切りに、4月16日には対象を全国に拡大したため、結果的には全国の企業が、このような事態に事業継続するための対応を迫られたことになります。 都心の大企業を中心に、リモートによる業務継続が可能な業種や職種では緊急避難的にテレワークを実施し、外出自粛要請に対応する形で、多くの社員が出社せずに業務を継続する方法を実践することになりました。
本来であれば、用意周到にインフラを整備し、セキュリティが担保された環境を作り、十分なテストを行ってからの実施であるべきですが、残念ながら準備期間は企業の売上規模の大小に関わらず平等に短い期間しか与えられませんでした。
そもそも、テレワークが無理な業種や業務形態の職種についてはいたし方ありませんが、自粛という要請ではなく、一切の外出ができないような危機的な状況であれば、テレワークを実施できなかった企業は、残念ながら生き残れなかった可能性が大きくなります。大企業であれば、BCP(事業継続計画)が日頃より準備されているので対応できたのかもしれませんが、その後、緊急事態宣言も一過性のものではなく、いつロックダウンになっても不思議でない状況を目の当たりにしてしまっては、リスクマネジメントの重要性を思い知らされた結果となりました。

テレワークなど緊急事態のような環境変化に迅速に対応できた会社と、そうでない会社には、まさしく経営トップの迅速な行動力が要求されるDXの対応でも大きな差がついたように見えます。テレワークをしている会社でも、まさに、ハンコをつくために出社していたなど、メディアでも話題になりましたが、電子契約にいち早く切り替えれる機動力のある会社はその中でも、まだ少数なのでしょう。
対面販売が出来なくなっても、一早くWEB会議システムを活用して、適用できた会社は、コロナ禍であっても決して売上が落ちている会社ばかりではありません。
顕著であったのは、アマゾンやGoogleなど、ITを最大限に活用していつもDXの事例に出てきている会社は、コロナ禍の逆境をものともせずかえって大幅な増収増益を実現しています。つまりは、DXを推進できる力を持った会社は、どんな状況においても強靭性を発揮できるということです。


DXを推進できる会社は、逆境にも強いことが証明された


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