AIで身近になるチャットボット


ChatGPTの登場で、それまで、業種に特化してルールベースに基づいて対話されるイメージだったチャットボットの世界が一変しました。
それに加え、IDやパスワードが不要で話かけるように質問をすれば、回答以外にも元にしたソースや関連情報まで表示してくれる「Perplexity」も利用可能になったことにより、Webブラウザでキーワードを並べて検索する方法自体も代わってきております。

そんな中、2003年2月6日Googleも会話型のAIサービス 「Bard」を発表しました。これは、2年前に発表されている対話アプリケーション用言語モデルである「LaMDA」を利用しており、Web からの情報を利用して、新鮮で質の高い応答を提供し、世界の幅広い知識と、大規模な言語モデルの力、知性、創造性を組み合わせることを目指しているとのことです。
まずは、Bardの品質と速度を学習し、改善するために、限定した人達使用してもらうテストフェーズのようですが、ゆくゆくはGoogle検索やGooleアシスタントなど、さまざまなサービスに応用されるだとうことは容易に予想されます。

このようにインターネットで気軽に利用できる世界でチャットボットが進化していくと、もう専門家の先生にお金を払ってまでして、答えや考え方を教えてもらう必要が無くなるかもしれません。学校での勉強は、知識を詰め込む暗記が主体ではなくなり、調べ物をたくさんして好奇心を増大することが勉強の中心になるかもしれません。勉強ができる人というのも、知識量ではAIには勝てないのであまり頼りにされず、ますますクリエイティブな発想ができるかとか、応用力があるかなどの方が評価が高くなるでしょう。
こうなると懸念点は、AIの倫理感や、犯罪などに悪用されるかもしれないという問題です。もちろん、開発元は問題意識を持って日々改善しているようですが、そもそも、不特定多数の人達が手軽に使用できてしまうため、使用者側のモラルに期待することは厳しいです。
人との会話では、事実に基づかない内容でも容認できることが、AIが相手であると話している内容はすべて事実なんだろうなと過信してしまう恐れもあります。過去の歴史を振り返っても、何度も事実とされていた事柄が変更されたケースもあり、認知されていた情報や、大多数を占める情報が事実であるとは限りません。
そして、すべての物事が、正しいとか間違っているという判断がつけられるというわけでもありません。それは、前提条件が必要だったり、その内容を受け取った人の価値観によって、正しいと思われたり間違っていると思われたりすることもあるでしょう。
そうなると、やはりこのAIのチャットボットがいろいろなところで使われだすようになれば、悪用されていないケースであっても、ある程度偏った考え方で洗脳されてしまいそうな気がします。現在のGoogle検索と同様、広告主の意見を尊重する会話が優先されることも容易に想像できます。

AIのチャットボットは、リスクが懸念されることも多いですが、利便性も高まり、何より仕事や生活に役立つ使い方も広がって行くでしょう。生活が豊かになる期待が持てるのであれば、欠点を克服しながら、今後AIのチャットボットは、私たちの生活の中でより身近な存在になってゆくに違いありません。


AIのチャットボットは、生活を豊かにする


AI, チャットボット