DX目的などで業務のシステム化を推進する場合、多くのケースで異なるシステム間でのデータ連携が必要です。その場合、ファイル転送をするのか、データ連携ミドルウェアを使用するのかという、大きく分けて2つの選択になります。
例えば、各事業所から売上データを計上された段階で、顧客データもアップデートし、在庫管理のデータも更新するようなケースであれば、売上データが送られた時点で、顧客DBや、在庫DBを自動更新する仕組みが望まれます。
この場合、すでに売上データをもとに、更新処理できるプログラムが存在しているのであれば、データ連携ミドルウェアによって、データ転送完了後に起動するプログラムや、ファイルを送信する際のトリガーを登録するで自動化が可能となります。イメージとしては、各拠点で売上計上すべき内容がデータ入力された時点で、自動的にデータは各システムへ送られ連携して処理しているので、1件づつオンライン処理をしているイメージとなります。
これに対して、各事業所で売上データをまとめてデータ転送する場合は、FTPなどでファイル転送していたケースが考えられます。これを自動化するには、従来のファイル転送にEAIツールを組み込んでデータ連携させると、システム化し易いです。
この場合、FTPのファイル転送であれば、セキュリティ面において心許ないので、たとえばSFTPのようなセキュアなファイル転送方式に変更すべきなのですが、EAIツールによっては、それ自体がSFTPサーバの役割を担い、SFTPによるファイル転送を行って、ファイルが届いたというトリガーをもとにあらかじめ設定しておいたスクリプトを実行することもできます。このように、単なるファイル転送をセキュアな仕組みに変えるだけでなく、転送後の処理の自動化するような連携が可能となります。
そもそも、データ連携ミドルウェアとEAIツールは、目的が違うためもちろん両方を共存させ使用することができます。データ連携が必要なシステム化に際して、両方を活用すれば、お互いに弱い部分を補完しながら、自動化のみならずパフォーマンス面などに相乗効果を生み出すことが期待できます。
もちろん業務規模にもよりますが、オンプレからクラウドに至るまで、あらゆる環境の業務のシステム連携をするには、両者を組み合わせて使用すると、システム化のための開発スピードが上がるだけでなく、業務効率もアップし、運用開始後の保守や改変についても圧倒的に楽になります。
業務の複雑さや、大きさなどを加味して、データ連携ミドルウェアとEAIツールをシステム化のために有効な手段として選択肢に加えることも、時には必要です。
FTPからSFTPへ変更する際には、EAIツールも有効