2019.10.28
自働化の先にある社会
ロボットや
そもそも、1日8時間労働というのがナンセンスであり、ロボットで業務の省力化をしてもなぜヒトは労働時間を気にしなければいけないのでしょう。
たとえば
そうなると「労働力を提供し、給与をもらう」という根本の考えから脱却が必要なのかもしれません。たとえば、文化人類学者であるマルセル・モースは、100 年ほど前にポリネシアを調査して、義務としての贈与が社会的な規模で行われており、経済活動が、贈与する義務、受け取る義務、返礼する義務によって成り立っていることを発見しました。こうした原始社会的な義務の贈与は、アメリカやメラネシアなどでも行われていたようで、現代の私たちが当たり前に考えている等価交換や、価値は投入された労働量で決まるをいう概念とは全く違った経済社会が存在していたようです。
現代でも、仮想通貨が登場しトークンエコノミーや、シャアリングエコノミーなど、共感や感謝などを可視化する違った価値観も話題になってきています。「労働価値」が今までの考えのままでは、ロボット社会になった場合、資本主義経済に対しても大きな不安が残るので、ベーシックインカムなどの実験も盛んに行われるようになったのでしょう。
社会学者のエミール・デュルケームが提唱した概念に「アノミー」という言葉があります。アノミーとは、伝統的価値や社会基準の喪失によって、社会の秩序が崩壊して、無規範状態や無規則状態になることを示す言葉ですが、労働価値観の変化によって、個人が不安や、崩壊感覚、無力感を味わい、最悪な場合アノミー的自殺も増える可能性もありえます。
近い将来、輝かしい幸せなロボット社会が到来するためには、労働価値について考えてみるのも必要かもしれません。
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