2019.12.20
2025年の崖とセキュリティリスク
経済産業省が公開した2018年9月7日のDXレポートにおいて、「2025年の崖」として複雑化・老朽化・ブラックボックス化して状態で既存システムが残存した場合に予想される経済損失は、2025 年以降年12兆円にのぼる可能性があるとしています。
この
DX レポートによりますと、この2025年の崖に適切で政策的な処置を行わなければ、企業は爆発的に増加するデータを活用しきれず、
DXを実現することができないため、デジタル競争の敗者になるばかりか、ITシステムの運用・保守の担い手が不在となり、多くの技術的負債を抱え、業務基盤の維持・継承が困難になるとのことです。そして、サイバーセキュリティや、事故・災害によるシステムトラブルや、データ滅失・流出等のリスクも高まることが予想されるため、リスクが大規模に広がることのないように計画的に対処することが必要です。
レガシーシステムがブラックボックス化されてしまうという問題に対応するためには、経営課題として
DX推進のためのガイドラインを決め、組織内外でも意思疎通が図れるように共通認識としてそのガイドラインに沿って推進していくことが必要です。
それには、経営戦略としての
DXの位置づけを明確にして、デジタル技術の活用や、レガシーシステム刷新のための体制や仕組みづくりが必要です。そして、
DX実現にむけて情報資産の分析や評価をした後、仕分けをしてどのように移行するかのプランニングなど、実行プロセスを明確化します。この時、新しいシステムには、最新のデジタル技術変化に迅速に追従できるようになっていること、そして経営者自らがプロジェクト管理して、この取り組みが継続的に行われることが重要です。
ポイントは、レガシー刷新自体が自己目的になって、
DXにつながらないものにならないように、明確な目標を設定して、経営者、事業部門、情報システム部門等関係者全員が刷新後のシステムが実現すべきゴールイメージを共有することです。
そして、システムの刷新においては、不要な機能を廃棄し、規模と複雑の軽減を図ることが、コスト・リスクを低減する効果的な方法です。
マイクロサービスの活用や、共通プラットフォームの構築なども有効な手段です。
DXを推進することは、既存のレガシーシステムの老朽化に対処して、セキュリティリスクの増大の恐怖から解放されるためにも、とても重要なことであるという認識を、企業関係者全員で持つ必要があります。
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