2019.09.11
チャットボットは次のステージへ
RPAとともに大人気となったチャットボットですが、その実態の多くは、「人工無能」とまでいわれた人に似せて対応させるルールベースで推論する弱いAIがほとんどでした。
つまり、人の受け応えを事前に登録して、よくある定型の回答を検索してアニメなどで擬人化して応答してくれるものがほとんどでした。どれだけ自動化できるかは、どれだけルールベースを登録してあるかで決まり、最終的には回答しきれないものは、人が対応しています。そして、顧客満足度や、自動での回答率を上げるには、
AIのチューニングという名目で模範回答集を追加登録する必要がありました。
ディープラーニングとは、自己学習ができることが特長だと思われているのですが、実際の会話を自己学習することは本来非常にハードルが高いようです。なぜなら、会話は人によって長さが違うし、複雑な質問をされればその内容を理解するのも難易度が上がり、音声での会話となれば方言やイントネーションの問題がありなおさらです。
そんなルールベースの
AIを飛躍的に進化させたのが、人間が日常的に使っている自然言語をコンピュータに処理させる技術である自然言語処理(NLP)の研究です。人の会話に自然で説得力のある応対をさせるには、会話のコンテキストつまり状況によって異なる内容の理解が重要で、
AIが人格を意識して質問に回答できるようになることが大切だといわれています。
たとえば、パーソナル
AIで有名な
オルツ社は、複数の人数での会議であっても、誰が話しているかを識別でき会話を議事録としてテキスト化して、記録や翻訳をする技術も持っています。さらに、オペレータの対応を実際の受け答えの中で学習し、学習が進むと共にエスカレーションすべき対応が減るのでほぼ完全自動化を目指せます。この技術の利点は、少ない回答例しかない状態からも、
AIが対応するオペレータを早期に導入できることです。
また、すでに従来型のチャットボットを導入しているユーザも、
APIが充実しているので、回答すべき内容を自己学習させて
AIに回答させる部分だけでも、既存のシステムに組み込むことができます。たとえば、コールセンターなど、通常の問合せ対応をしながら、
AIに学習させることで、自動的に
AI側の回答率が上がり、時間の経過とともにオペレータの負担が軽減されていきます。
こうしたサービスが、
クラウド環境の
APIで提供されると、
RPAと組み合わせて、あらゆる企業のヘルプデスクや、教育の現場、カウンセリングなど、幅広い分野でチャットのシステムが有効活用できます。
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